外のエンガワひろばと行き来できる1階エンガワモール。
共用部は温かい光色の照明を用いるとともに、執務室は作業環境に配慮して色温度が高い照明を設置

回遊性・多様性・更新性に配慮した
情報・交流の“プラットフォーム”

東日本大震災発生時、双葉町は湾岸部にあった東京電力福島第一原子力発電所による甚大な原子力災害を被り、長きにわたって帰還困難区域と避難指示解除準備区域に指定されてきた。
その双葉町は、2020年に全線運転を開始したJR双葉駅を中心とする、まちなか再生および新市街地の整備に取り組んでいる。2022年6月に双葉駅前に新庁舎が竣工、同年8月には双葉町 特定復興再生拠点区域の避難指示が解除され、9月には町役場での業務が再開された。
新庁舎のコンセプトは「双葉の未来へつながる情報・交流の“プラットフォーム”」。多様で多世代の人たちが活動する、交通や生活・情報の結節点と位置付けられた。とくに、双葉駅西側に整備が進められている住宅や、今後東側に整備予定の商業施設と一体的な空間を形成するように、新庁舎は「回遊性・多様性・更新性」を軸に設計された。内部には開放的な吹き抜け空間や、外との一体性が感じられるエンガワモールなど、魅力的な空間が創り出されている。双葉町総務課管財係長の森山 和久氏は「新庁舎は、商業など別の用途にも転用できるように設計した。ここが住民のよりどころとなり、職員が山積する課題に取り組める空間となることを願っている」と語る。

建築設計Report vol.44/2023年2月発行
※会社名、役職名などは掲載時のものです。

2層吹き抜けのエントランスは休日のイベントに利用でき、2方向の出入口から通り抜けも可能2層吹き抜けのエントランスは休日のイベントに利用でき、
2方向の出入口から通り抜けも可能

開放的な1階のギャラリーと、2カ所の扉を備えた選挙の投票場などにも利用可能な会議室開放的な1階のギャラリーと、2カ所の扉を備えた
選挙の投票場などにも利用可能な会議室

議会開会時には議場として利用される約100名が収容できる多目的会議室。役所内は、用途に合わせて空間をトランスフォームできるように多くの可動式什器が配置されている議会開会時には議場として利用される約100名が収容できる多目的会議室。
役所内は、用途に合わせて空間をトランスフォームできるように多くの可動式什器が配置されている

議会開会時には議場として利用される約100名が収容できる多目的会議室。役所内は、用途に合わせて空間をトランスフォームできるように多くの可動式什器が配置されている議会開会時には議場として利用される約100名が収容できる多目的会議室。
役所内は、用途に合わせて空間をトランスフォームできるように多くの可動式什器が配置されている

温かい色の光が外にあふれ出す新庁舎温かい色の光が外にあふれ出す新庁舎

イベントスペースとしても利用される木のキャノピーのある空間イベントスペースとしても利用される木のキャノピーのある空間

JR双葉駅周辺の整備構想

双葉町役場

所在地/福島県双葉郡双葉町大字長塚
事業主/福島県双葉町
設計/株式会社関・空間設計
施工/株式会社橋本店
電気工事/株式会社ユアテック
竣工/2022年6月

主な設備

● LEDベースライト ● LEDスポットライト ● LEDダウンライト ● LEDローポールライト ● LED地中埋込型照明器具

パナソニックの電気設備のSNSアカウント