卸町会館前に設置された、防犯カメラを装備した防犯灯。背後は卸町コミュニティプラザ(復興公営住宅複合ビル)。
災害発生時には防犯灯の光を赤色に変えて注意を促す

人が集い暮らしやすい街をつくる安全・安心のインフラ整備

仙台駅東4kmに位置する卸町は、日本最大級の卸商団地で、東北地方の物流・流通の中核。卸売業・流通業を基本とし「商業」「居住」「文化」の機能を活かした新しいビジネスが展開できるよう都市計画を変更し、居住エリアを設けた多様な街を目指している。2015年12月に地下鉄東西線が開通し「卸町」駅も開設。これを契機に、卸売団地内の街路灯や監視カメラを整備することで夜間も明るく安全で暮らしやすい街へと変身するインフラ整備が計画された。パナソニックは、環境計画支援VRを用いて、LED街路灯の設置状況や照度シミュレーションを実施。災害発生時には、手動で街路灯を赤色に切り替え、サイン灯と併せて安全な避難誘導を支援する。防犯カメラ映像や照明制御などのデータは業務用無線ネットワークを経由し、卸町会館内のセンターで一元管理される。卸町会館などの主要施設に2.4GHz帯の公衆無線LAN(Wi-Fiスポット)を整備。リチウムイオン蓄電池による自立電源と衛星を利用したインターネット回線により、災害発生時でも「切れない」ネットワークで、安否確認などの情報提供サービスを実現。今後、仙台駅からのアクセスの良さと、商業・文化・居住の機能を活かした、賑わいのある複合市街地の形成が期待されている。

  • 組合員数:254社、団地面積約17万坪

建築設計Report vol.16/2016年2月発行
※会社名、役職名などは掲載時のものです。

①卸町1丁目のLED街路灯。 ②手前は避難経路を示すサイン灯。LED街路灯の下にバッテリー付き保安灯を設置

卸町会館に設置された通信装置。停電対策として太陽光発電とリチウムイオン蓄電池を備える

万一、光回線が断線した場合も通信機能を維持するための衛星インターネット設備

災害発生時にはタブレットにより防犯灯を赤色にしサイン灯と併せて避難誘導を助ける

卸町会館のセンターに設置されたカメラ統合監視装置。2台のリチウムイオン蓄電池を備える

LED街路灯の配置や平常時・災害時発生時・停電時なども環境計画支援VRによりシミュレーション

協同組合 仙台卸商センター

■安全・安心街づくり整備事業(仙台市卸町)
所在地/宮城県仙台市若林区卸町
事業主/協同組合 仙台卸商センター
設計・施工/パナソニック システムネットワークス株式会社
竣工/2015年12月

主な設備

● LED街路灯×125基 ● バッテリー付き保安灯×71台 ● サイン灯×18基 ● 屋外無線設備×14基 ● 防犯カメラ設備×21基 ● Wi-Fiスポット×3箇所 ● カメラ統合監視装置×1式 ● 照明制御装置×1式

東北復興ソリューション

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