JR総武本線 隅田川橋梁ライトアップ
浅草橋駅・両国駅周辺に訪れる人や隅田川テラスや観光船を利用する人たちを魅了するJR総武本線隅田川橋梁ライトアップ。
アーチ端部、支柱下部にカラー演出投光器を設置してプログラムにより点灯・揺らぎ・流れなどを演出している。
写真は優しい電球色の揺らぎが寄り添い、まちに溶け込む通常演出
隅田川に架かる歴史ある鉄道橋を
ダイナミックにライトアップ
1932年に架けられた鉄道橋の隅田川橋梁は日本初のランガー型橋梁※(全長約172m)で、中央橋脚間がアーチ構造となっている。完成から90年以上が経過した、重量感のある鉄鋼桁と堅固な橋脚は、隅田川の景観の重要な要素として親しまれている。この橋が「歴史・文化の街に映える、伝統と彩の鉄道橋」のコンセプトのもと、2025年9月からダイナミックにライトアップされている。アーチやアーチ支柱部に投光照明を行うことで、橋梁をライトアップ。LEDフルカラー投光器「ダイナワン」72台が彩りを演出している。
通常時は暖色系の穏やかな照明で橋全体を包み込み、電球色の光が揺らめくように幻想的な光景をつくり出す。日没から23時までの毎正時になると、両国国技館の守護神「四神」にちなんだカラフルなライトアップが約3分間繰り広げられる。さらに、年中行事やイベント時には特別演出が行われる。ライトアップの演出確認にあたっては、「ライトニングフロー」と「汐留サイバードーム」によるVRシミュレーションが実施された。このライトアップには、東京都と公益財団法人東京観光財団の「建造物等のライトアップモデル事業費助成金」を活用した都市景観形成と地域活性化を図るモデルケースとなっている。
- 橋桁とアーチ部材が直列に配置されたアーチ橋の一種。提案者ランガーにちなんで名付けられた。
建築設計Report vol.55/2025年11月発行
※会社名、役職名などは掲載時のものです。

【毎正時】四神の青龍(東)を表す水色のライトアップ

【毎正時】四神の白虎(西)を表す白色のライトアップ

【毎正時】四神の朱雀(南)を表すピンク色のライトアップ

【毎正時】四神の玄武(北)を表す紫色のライトアップ

【特別演出】白色からピンクのグラデーションが揺らぐ

【特別演出】淡い黄緑から濃い緑へと光が動く
「サイバードーム」によるVRシミュレーション

JR総武本線 隅田川橋梁ライトアップ
所在地/東京都台東区・墨田区
事業主/東日本旅客鉄道株式会社
照明設計/パナソニック株式会社 エレクトリックワークス社
電気工事/日本リーテック株式会社
ライトアップ開始/2025年9月
主な設備
● LEDフルカラー投光器 ● DMXスポットライト ● 制御装置

