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2022年12月号 災害への備えと脱炭素化を目指し、再エネ設備の導入と空調・照明設備の更新で、平常時も快適な空間へとリニューアル。玉村町様[群馬県佐波郡]
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玉村町町長
石川 眞男 様 -
玉村町副町長
萩原 保宏 様 -
玉村町役場 総務課
係長
松田 純一 様 -
玉村町役場 総務課
主査
永井 亮多 様
災害時の防災拠点となる役場・保健センターに、太陽光発電・蓄電システム、空調設備、LED照明、エマネージ等をご採用。災害時の電源確保を実現しつつ、脱炭素化・電気代削減・室内環境改善のトリプル効果も得られました。
非常時の安心・安全を確保しつつ、平常時の省エネ・快適性も同時に実現。
関東平野の北西部に位置する玉村町は、過去に大きな自然災害もなく、自然環境に恵まれた地域です。一方で周辺自治体では大雨による災害も起こっており、昨今の地球温暖化に伴う気候変動への備えとして、令和3年3月に「玉村町国土強靭化地域計画」を策定されました。
災害時には対策本部を置く防災拠点であり、かつ地域住民の避難所にもなっている役場・保健センターは、築36年が経過し、空調設備や照明器具の老朽化が課題となっており、非常時の電源確保も急務でした。そこでできるだけ財政負担とならずに、早急に整備を進めるために、補助金を活用した設備の導入に至りました。
プロポーザル方式を採用され、選ばれたのがパナソニックと地元の電気工事会社様、水道工事会社様のグループでした。「全国各地で経験が豊富でノウハウを持つパナソニックと、地元業者がタッグを組んでいたということで、何かあってもすぐ駆けつけてもらえるという安心感がありました」と町長の石川様はおっしゃいます。
本補助事業により、太陽光発電・蓄電システムを導入し、非常時の電源を確保しつつ、平常時の大幅な省エネを実現。老朽化した空調設備と同時に換気設備も更新し、感染症対策も実現しました。照明器具はすべてLED化。「脱炭素化・電気代削減・室内環境改善のトリプル効果が得られました」と副町長の萩原様は語られました。
導入した主な設備
ソーラーカーポートを全国の自治体様で初めて採用。住民へのアピールにも。
空調設備は、以前は集中熱源方式でしたが、個別方式へ更新することにより、部屋別・方角別に最適化を図りました。「以前は空調を稼働していても夏は暑く冬は寒い状態で、扇風機やストーブを併用していたため、地球環境にも職員や利用者にも良くない状況でした。パナソニックには個別方式の採用と、既存の外調機をメンテナンスして活用するという提案もしていただき大変満足しています」と町長の石川様。
太陽光パネルは屋上への設置に加え、設置場所確保のため、全国の自治体様で初となるソーラーカーポートを採用されました。ソーラーカーポートは住民の目に留まりやすく、省エネ・防災強化のアピールにもなっています。
玉村町様では、工事中から役場前の表示板やホームページ、広報紙で住民へPR。太陽光による発電状況を示すモニターを庁舎の入口に設置し、こちらも住民の環境意識の向上に一役買っています。
総務課の松田様は、「本事業は着々と計画していたことではなく急遽決まったことで、何かと大変な面もありましたが、昨今の社会情勢で資材や電気代が日々高騰している点を鑑みると、一日でも早く実行したことは、結果的に大変よかったと思っています」と語られました。
1週間に1回のエマネージ分析データでさらなる運用改善を目指す。
今回の省エネ効果について、総務課の永井様は「4か月累計で50.2トンのCO2削減、電気料金を3~4割削減できています。パナソニックからは1週間に1回、エマネージの分析データとコメントをいただいており、運用改善に結び付けています。全国的に電力が逼迫していますので、目標値を達成した後も、さらなる省エネを目指していきたいです」とお話くださいました。避難所となっている小中学校など、他の町立施設への展開も計画中とのことです。
活用した補助事業:環境省 令和2年度(補正予算)
『二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金(地域レジリエンス・脱炭素化を同時実現する避難施設等への自立・分散型エネルギー設備等導入推進事業)』※令和3年度の単年度事業です。
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