• 明石ブロイラー 今福農場
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大小のファンを台数制御することで換気量を最適化しているウインドレスシステム鶏舎

鳥インフルエンザにも強い
閉鎖型新世代ウインドレスシステム鶏舎

明石ブロイラー 今福農場

長崎県北端の松浦市は海と山が近く棚田の残る風光明媚な地。この海岸沿いに7棟の新世代ウインドレスシステム鶏舎が完成した。建設の主体となったのは地域ぐるみで高収益型の畜産を実現する畜産クラスター『長崎県北松肉用鶏クラスター協議会』。この鶏舎は開放窓を設けずに換気システムとミストにより鶏舎内の温湿度環境を保つ次世代型鶏舎で、冬期には北側の海から吹く冷たい風を天井チャンバーに入れることで温度と風量を安定させ、インレットから鶏舎内に空気を送り込む。鳥インフルエンザ対策として、給気口には野鳥の侵入を防ぐネットが設けられており、天井インレットの開度調整と大小のファンを台数制御することで換気量を最適化し、周辺環境にも配慮されている。

給気は一旦天井チャンバーに収められ天井インレットから鶏舎内に供給。南側壁面と側面に設けられた排気ファンによって鶏舎内の温度と空気質が管理される

給気は一旦天井チャンバーに収められ天井インレットから鶏舎内に供給。南側壁面と側面に設けられた排気ファンによって鶏舎内の温度と空気質が管理される

夏期には北側壁面を上げることで給気量を増大

夏期には北側壁面を上げることで給気量を増大

「昭和33年に父が会社を起こし、採卵鶏からはじめ、ブロイラーを成育するようになりました。約4万羽を収容する2つの養鶏場を経営していましたが、海岸沿いの鶏舎が築50年程を経て老朽化したので建て替えることを検討しました」と語るのは株式会社明石ブロイラー社長の明石直巳さん。
「ここは海沿いで冬には冷たい風が吹きます。開放型の鶏舎は冷たい風が直接あたるので初期の雛にはよくありません。近くの農場に、冷気をいったん天井裏に入れて間接的に供給する、パナソニック環境エンジニアリングの天井チャンバー方式を採用している鶏舎があり、この方式を採用したいと考えました。
新鶏舎建設にあたっては、同業の農家や関連する会社も加わった畜産クラスターを設立し、農林水産省から建替補助金を取得する形で、若鶏を健やかに生育する鶏舎の設計を進めました」

株式会社明石ブロイラー 社長 長崎県北松肉用鶏クラスター協議会 代表 明石直巳さん

株式会社明石ブロイラー 社長
長崎県北松肉用鶏クラスター協議会 代表
明石直巳さん

鳥にやさしい次世代鶏舎で、良質な若鶏を消費者に提供

「建設・施工業者の選定にあたっては、国の事業なので換気システムの設計仕様を提示して、数社に概算見積入札を求めました。その要件は、温度管理が難しい雛鳥の環境をコントロールできるウインドレスシステム鶏舎。これなら、外からの鳥の侵入が防げるため鳥インフルエンザにも効果があります」と協議会代表でもある明石さん。
その結果、選定されたのがパナソニック建設エンジニアリングだった。
「入札によってパナソニック建設エンジニアリングに給餌システムも含めた建設工事一式を発注。鶏舎内の成育環境を自動で一定に保つ鶏舎が完成しました。
しかし、工期が11月から3月の5カ月とあまりにも短く、3月25日には検査があり、補助事業なので検査に通らなければ補助金が下りないという状況でした。市や県との調整も大変でしたが、パナソニック環境エンジニアリングの現場監督の頑張りには頭が下がりました。とくに、コロナ禍で発電機や機材納入が遅れるなど、多くのトラブルが発生しましたが、卓越した工程管理能力で国の検査に間に合うことができました。既存鶏舎と比べて成育数は倍の4万羽になり、坪あたりの若鶏の成育も良くなりました。今後はより努力をして消費者においしい若鶏をお届けしたい」と語ります。

鶏舎内の温度を下げるミストシステム
鶏舎内の温度を下げるミストシステム

鶏舎内の温度を下げるミストシステム
鶏舎内の温湿度をコントロールする制御盤

管理室で鶏舎各棟の環境制御と映像を集中管理
管理室で鶏舎各棟の環境制御と映像を集中管理

管理室で鶏舎各棟の環境制御と映像を集中管理


※この記事は2020年8月時点の情報です

明石ブロイラー 今福農場

明石ブロイラー 今福農場

■概要
所在地/長崎県松浦市今福町
事業主/株式会社明石ブロイラー
設計/怡土苑総合設計事務所
建設・施工/パナソニック建設エンジニアリング株式会社
空調・換気設備納入/パナソニック環境エンジニアリング株式会社
竣工/2020年5月

主な設備

● 換気システム ● ミストシステム ● 監視カメラシステム

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