海岸に沿うように防潮堤の上に並んで建設された雄勝硯伝統産業会館と雄勝観光物産交流館

住民の生活に寄り添い新たなにぎわいを生み出す地域の拠点

古くから硯石の産地として知られる石巻市雄勝町。最盛期には国内硯の9割を生産したという。2011年、東日本大震災の津波は雄勝町の中心部を襲い、甚大な被害をもたらした。現在は、湾全体を囲むように10mの防潮堤が建設され、地域住民による新たな生活が芽生えはじめている。
地域の拠点として、そして観光地としてのあり方を模索するべく、移転新築された雄勝硯伝統産業会館と雄勝観光物産交流館は、2020年5月にオープン。海岸に沿うように並ぶ両施設には、海側に開けた広い窓から自然光が差し込む。
習字用具から、工芸品、建築材と用途を広げて発展してきた雄勝石。雄勝硯伝統産業会館には、その歴史や硯の製造工程など、地域産業としての歩みが展示されている。雄勝観光物産交流館には、地元の寿司屋や商店が入り、特産物を求めて観光客が訪れるほか、地域の方も買い物に立ち寄り交流する。石巻市雄勝総合支所 地域振興課長の及川剛氏は「防潮堤の上から見る海の風景が現在の新しい雄勝。地元住民が力を合わせて立ち上がり、生活を営んでいく姿を見てほしい」と語る。以前と変わらぬ豊かな里山と海が、新たな進化を遂げようとするまちを静かに見守っている。

建築設計Report vol.36/2021年2月発行
※会社名、役職名などは掲載時のものです。

雄勝硯伝統産業会館

産業会館の外壁には雄勝石のスレートが使用されている
勝硯伝統産業会館の外壁には雄勝石のスレートが使用されている

雄勝硯を浮かび上がらせる展示室のスポットライト雄勝硯を浮かび上がらせる展示室のスポットライト

雄勝硯および雄勝石を展示販売する工芸品販売ギャラリー
雄勝硯および雄勝石を展示販売する工芸品販売ギャラリー

スポットライトが多数設けられた工芸品展示コーナー
スポットライトが多数設けられた工芸品展示コーナー

雄勝観光物産交流館

雄勝観光物産交流館雄勝観光物産交流館

窓から光が差し込む交流広場窓から光が差し込む交流広場

海を一望できるベイフロントデッキ
海を一望できるベイフロントデッキ

地元の特産物が並ぶ直売所
地元の特産物が並ぶ直売所

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雄勝硯伝統産業会館/雄勝観光物産交流館

■雄勝硯伝統産業会館
所在地/宮城県石巻市雄勝町
事業主/石巻市
設計/株式会社東畑建築事務所
施工/株式会社ジュウハン
電気工事/株式会社ナリサワ電気
機械設備工事/株式会社晃和工業
展示工事/株式会社丹青社
オープン/2020年5月

■雄勝観光物産交流館
所在地/宮城県石巻市雄勝町
事業主/石巻市
設計/株式会社東畑建築事務所
施工/株式会社櫻工房
電気工事/株式会社ナリサワ電気
機械設備工事/株式会社晃和工業
オープン/2020年5月

主な設備

● 一体型LEDベースライト iDシリーズ  ● LEDダウンライト ● LEDスポットライト ● LED街路灯 ● LED非常灯(電源内蔵型)