待ち合わせや休憩だけでなくイベントにも対応できる「おおくまホール」。
天井は人びとが交流してつながって行く様子を網格子を用いて表現

放射線災害の防災拠点ともなる復興のシンボルとしての新庁舎

福島県大熊町では、福島第一原子力発電所の事故により避難指示が出され、町役場の主要機能は約100km離れた会津若松市に移転を余儀なくされた。 大熊町は、2014年3月に大熊町復興まちづくりビジョンを策定。「町土復興・再生」の第一ステップとして大熊町大川原地区を復興拠点とする整備を行い、ここに復興のシンボルとなる新庁舎を建設した。庁舎は内外に木材を多用することで温かみのある空間とし、まちなみや自然景観と調和。誰もが利用しやすく人に優しいユニバーサルデザインが追求され、省エネ性能に優れた設備や再生可能エネルギーの導入により環境負荷の低減にも貢献する。さらに、地震・台風などの自然災害だけでなく、原子力災害にも対応できる防災棟も建設された。「避難指示区域の見直しにより、大熊町でも一部地域を除いて、徐々に住民の方が戻れる区域が増えている。現在はこの地区に商業施設や交流施設、温浴施設などの整備が進んでいる。庁舎を拠点とした復興の進展を見て帰還を判断していただければと思う。将来につながっていく住民の生活を支える取り組みを、今後も続けて行きたい」と同町総務課 主査 木村晃大氏は語る。

建築設計Report vol.34/2020年8月発行(改定:2021年1月)
※会社名、役職名などは掲載時のものです。

1階ロビーは温かい光色とし、執務室は色温度を高く設定

2階執務室と受付カウンター

LEDダウンライトとコーニス照明が用いられた議場

2階議場前のラウンジ

LEDダウンライトが採用された大会議室

備蓄倉庫や災害対策室を備えた防災棟

放射線災害も想定した災害対策室には一体型LEDベースライト iDシリーズを採用

大熊町庁舎

所在地/福島県双葉郡大熊町
事業主/大熊町
設計・施工/鹿島・永山建築設計特定建設工事共同体
竣工/2019年3月

主な設備

● LED照明器具 ● 照明制御システム FreeFit ● LED街路灯

東北復興ソリューション