「オフィス移転・改修実態調査」から見えてくる働きやすいオフィス

コロナ後のオフィス移転は従業員の幸福度を重視

本記事の概要

コロナ禍を経てオフィス移転が増えています。テレワークの定着で広いオフィスが不要になったこともありますが、逆に、コロナ禍が企業のあり方、働く従業員の意識・働き方を大きく変えたことで、その時代の変革をいち早くつかみ、オフィス移転によってさらに成長を促進しようというアグレッシブな企業も多く存在しています。パナソニックが実施した調査からは、そうした現代の企業が抱える課題と、進むべく方向性が見えてきます。

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オフィス移転が会社を変える。983人の声から見えたオフィス移転・改修の実態

オフィス空間における決定権者の実態・オフィスに対する意識や解決したい企業課題・ニーズなどを独自調査したレポートです。

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パナソニック株式会社 ひと・空間コンセプト研究所では2024年2月にオフィス空間の決定権者に実態・意識調査を実施しました。対象の決定権者は25業種+その他で、有効回答数983名です。

※決定権者;オフィス空間の仕様や改装、費用に関わる決定権を持っている方(30%)、もしくは決定に影響を与える役割を持っている方(70%)

オフィス移転/改修の実態

コロナ禍とオフィス移転・改修の現状

コロナ禍は2020年の春に始まり、2023年5月には感染症法上の位置付けが5類に移行したことで、日常生活が戻り始めました。そのコロナ禍真っ只中にオフィスの移転・改修を実施した企業は29%にのぼり、今後予定している企業を含めると合計67%にもなります。逆に移転・改修の予定なしは33%しかなく、コロナ禍が働く場所に与えた影響は大きいことが分かります。

オフィス移転・改修の理由

7割近くがオフィスの移転実施・予定・希望をしている実態が浮き彫りになりましたが、では、その理由はどこにあるのでしょうか。最も多かったのが、「出社率の低下のため」で35.6%になりました。コロナ禍に始まったテレワークが定着し、業務プロセスの効率化もあって在宅勤務する従業員が増えたことで、規模の小さいオフィスへの移転を考えるようになっています。

ポジティブな理由としては、「従業員の増加」(31.7%)、「従業員満足度の向上」(24.8%)、「事業規模の拡大」(24.8%)が挙がっています。コロナ禍を乗り越えて経済が上向きになったことで事業も軌道に乗り、今のオフィスが手狭になってきたことが推察されます。

オフィス移転・改修の意思決定プロセス

ところで、オフィスの移転・改修は誰が決め、誰の意見が大きく影響しているのでしょうか。今回の調査を見ると「人事・総務部門」が21%と最も多くなっていますが、企画部門や販売・マーケティング、製造部門から研究部門、経営者に至るまで、多種多様な部門が関わっていることが分かります。

意思決定の実態と従業員ニーズの多様性

決裁を行うのは総務・人事部門の責任者が6割強と最も多く、最終的な決定は総務・人事部門に任されていますが、決裁に至るまでには多くのオフィス移転に関する従業員の意見を吸い上げる必要があります。後述しますが、従業員のオフィスニーズは多岐にわたります。仕事内容でニーズは異なるし、男女・年齢、ポジションでも変わってきます。多様なニーズを拾い上げ、従業員にとって働きやすい環境を整えるため、総務・人事部門の責任は重大です。

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オフィス改修/移転になったきっかけ

次に、『オフィス移転を機に解決したい企業課題』を聞いたところ、「従業員のデジタル業務での生産性向上」(25.8%)と「優秀な人材確保」(24.6%)がツートップとなりました。

自由回答では、「周囲がうるさくてオンラインミーティングができない」「Wi-Fiが遅い」「リアルとオンラインを両立できる環境がない」といった不満が出てきています。現行オフィスが新しい働き方に合っておらず、新オフィスではデジタル変革(DX)が求められているのです。

これは、『解決したい企業課題』3番目の「従業員間のコミュニケーション向上」(18.4%)にもつながります。テレワークが増えると従業員間のコミュニケーションが希薄となり、業務の遂行に支障をきたすケースも生まれてきます。働き方改革の時代では、DXによって従業員間のコミュニケーションを向上し、生産性を上げたいという意識が働いています。こうしたことが4番目の「従業員の満足度(EoS)・ウェルビーイング向上」(17.8%)、そして、「優秀な人材確保」にもつながってきます。

先程の『解決したい企業課題』を業種別に見ると、主要10業種のうち7業種が「EoS・ウェルビーイング向上」を重要案件として捉えています。

新しいオフィスで重要視したこと

そこであらためて『ウェルビーイングを意識した施策を実施しているか』を問うたところ、「実施している」が30%、「検討している」が40%と、非常に高い関心を示していることが分かりました。

そしてその理由は、やはり「優秀な人材確保」(37.3%)がトップ。3番目に「従業員満足度の向上」(29.9%)、5番目に「離職率の抑制」(24.9%)もあり、従業員の獲得・維持にウェルビーイングが欠かせないと強く意識していることが伺えます。

一方で、ウェルビーイングに関する施策を実施していない企業にその理由を聞くと、「結果の見えにくさから、費用対効果に課題を感じる」(43%)が最も多い回答となりました。

『ウェルビーイング』とは?注目される理由、経営との関係性、推進するために企業がやるべきことを解説

ウェルビーイングとは、肉体的・精神的、さらに社会的にもすべてが満たされた状態であることを指します。企業としては、従業員の幸福度を高め、やりがいを感じる職場環境を作ることで、生産性の向上や組織の活性化を図るものです。ただ、「幸福度」というのはとても漠然としており、それが企業活動にどのような影響を及ぼしているかを測るのは難しいものです。そのため、ウェルビーイングを可視化した「WELL」認証制度が設置されました。建物内の空気質、水、光・あかり、音、温熱快適性など10のコンセプトで評価してオフィス環境を数値化するものです。「健康経営」を客観的に評価することで、社内・社外双方に企業価値を示すことができます。

ウェルビーイングを見える化するWELL認証

パナソニックでは、オフィスをはじめとした空間づくりのグローバル評価システムである、「WELL認証」の取得を支援するサービスを提供しています。オフィスの環境計測から申請、アフターフォローまで、資格を有した専門のコンサルタントが手厚くサポートします。これにより、「健康経営」「ESG経営」への取り組みが客観的に評価され、企業価値が向上します。

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新オフィスでの新しい取り組み

これらの課題を解決するため、実際にはどのようなオフィスづくりが行われているのでしょうか。オフィスの移転・改修を実施した企業に『新オフィスでの新しい取り組み』を聞いたところ、「安全で快適な温熱環境、空気環境(暑い寒い、換気、感染対策など)」が55%と圧倒的な高さを見せています。2番目の「従業員の満足度(ウェルビーイング)を上げるために環境配慮(空調・照明・換気)された空間」(43%)を合わせると、いかに働く人の健康を第一に考えたオフィス設計を目指したかが伺えます。働く従業員の幸福度の高さは生産性の向上にもつながりますので、最重要視するのは至極当然のことかもしれません。

4番目の「部門を越えた偶発的な出会いや、部署内のコミュニケーション促進される空間」と「チームワークを活性化出来る空間」(37%)にも注目です。WELL認証の評価コンセプトには『コミュニティ』が含まれており、ウェルビーイングにとっても従業員同士のコミュニケーション、エンゲージメント強化は重要項目。実際にオフィス移転した企業も、コミュニケーションしやすいオフィづくりを実施しているようです。

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なお、昨今話題になっているABW(Activity Based Working)型オフィスについても聞いています。「非常に魅力を感じる」が16%、「魅力を感じる」が42%と、高い関心を持っていることが分かりました。ABWとは、作業内容やその日の気分によって執務環境が選べる多様な働く場があるオフィスですが、これがコミュニケーションとプライバシーを両立し、そしてウェルビーイングを高める一つの方法と期待されているのです。

移転後の評価

最後に、オフィス移転・改修を実施した企業にその後の満足度を聞きました。
「満足している」が25%、「どちらかといえば満足している」が56%と、8割が満足している結果が出ました。逆に言うと2割が何らかの不満を持っていることになります。

オフィスの移転・改修を実施したら、それで終わりではありません。継続的に従業員にヒアリングして、細かな改善を積み重ねることで、より働きやすい環境を作っていくことが求められています。

移転・改修実施後の評価にも使える「オフィス診断サービス」

まとめ

コロナ後に社会は大きく変わりました。仕事も生活も急速にIT化が進み、多くのことが手のひらの中でいつでもどこでも処理できるようになりました。働く環境も、この変化への対応が求められています。

パナソニックでは、オフィスの課題を解決する各種のコンサルティングサービスを提供中です。国際的な空間評価指標「WELL認証」の取得支援、ウェルビーイングを軸とした働き方を含むワークプレイスを提案する「Well-Beingコンサルティングサービス」、部分的なウェルビーイング導入検討のための「空間パッケージ/ソリューション提案サービス」、移転後もパフォーマンス状態を維持する「Well-Being継続・運用サービス」など、企業価値の向上を目指してコンサルティングから設計・施工、アフターサポートまで、あらゆるニーズに応えていきます。

また、オフィス診断サービスをもとに課題を可視化してウェルビーイング空間を実現した「worXlab」(ワークスラボ)を東京・東新橋に開設しており、随時見学を受け付けています。最新のウェルビーイング・オフィスをぜひ体験してください。

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ワークプレイス創造に向け「『働く』を実験する」をテーマにしたライブオフィス「worXlab」(ワークスラボ)を、パナソニック東京汐留ビルに開設しました。「worXlab」は、オフィスワーカーがいきいきと健やかに働けるウェルネス環境を提供し続けることで企業の持続的発展に貢献する、人起点の空間価値創出を目指しています。

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オフィス移転が会社を変える。983人の声から見えたオフィス移転・改修の実態

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