ベルーナドーム(旧:メットライフドーム)
バックネット裏スタンド地下の、グラウンド内も望めるアメリカン・エキスプレス プレミアム® ラウンジでは
建築化照明とグレアレスダウンライトがラグジュアリーな空間をつくり出している
左壁面のプロジェクター映像やメニューを表示しているカウンター上部サイネージは、ホームラン時などには、
その内容に映像ジャックされる。左の投影壁面はケイミュー株式会社の「SOLIDO」
全世代が楽しめるボールパークを照明・映像・音響で一体連動演出
埼玉西武ライオンズの本拠地球場「ベルーナドーム(旧:メットライフドーム)」が、2021年3月、大規模改修によって「ボールパーク化」を遂げた。大型表示装置「Lビジョン」の高さを2倍にし、ドームの外側に憩いの場としても利用できるDAZNデッキを開設。バックネット裏スタンドの地下に483人が収容可能なプレミアムラウンジを設置するとともに、フードエリアなどの飲食施設も整備された。
「小さなお子様から女性、シニアまで、あらゆる世代が快適に観戦できる環境を用意する『ボールパーク化』を目指した」と株式会社西武ライオンズ ビジネス開発部の部長 加藤 大作氏。「まず、お客様がここで得られる体験をいかにデザインするかを検討し、試合前のワクワク感をどのように醸成して、ホームランや勝利の瞬間など歓喜の時を増幅できるかを考えた。
それをもとに、必要な装置や機材を選定し、演出内容まで踏み込んで考えて、コンテンツを制作した。かつて野球場は観客席に3時間座って試合を観戦するというスタイルだったが、今回の改修では施設内の回遊性を高め、グルメを楽しみ、お子様を遊ばせることもできる球場を目指した。同時に、スタジアム照明をDMX※制御ができるLED投光器に変更し、音響も一新してスピーカーも増設。
サイネージも球場各所に301台導入し、これらの照明・映像・音響設備を一体連動演出して、球場のどの場所にいても何をしていても一体感が感じられることを狙った。これまでホームランなどのシーンごとにスイッチングが必要だった各設備をワンクリックで連動する総合演出システムで制御できるようになった。
2008年に、埼玉の名前を球団名に付け、2018年からは埼玉県内全ての小学生にキャップを配り、将来のファンづくりを目指している。これも地域密着により地域貢献していきたいという思いから。これからも地域に愛される球団に育っていきたい」と語る。
- DMX:照明器具を調光・制御するための通信規格
建築設計Report vol.38/2021年8月発行
(改訂:2022年5月)
Lビジョンと連動するLED投光器が円形のドーム天井を囲む
Lビジョンと連動するLED投光器が円形のドーム天井を囲む
ホームラン時にはLビジョンの演出と同時に走者と同方向にLED投光器の光が走る
アメリカン・エキスプレス プレミアム® ラウンジのバーエリア
アメリカン・エキスプレス プレミアム® ラウンジのビュッフェエリア
ラウンジのグラウンド側に設けられた
アメリカン・エキスプレス プレミアムエキサイト® シート
バックネット裏に設置されたセンタービルのサブビジョン
憩いの場としても利用できるDAZNデッキにも大型ビジョンが設けられている
球場内各所に配置されたデジタルサイネージ
ホームラン時などに照明演出されるトレイン広場
放送室の総合演出システム操作卓
ベルーナドーム(旧:メットライフドーム)
所在地/埼玉県所沢市上山口
事業主/西武鉄道株式会社
設計/KAJIMA DESIGN
ラウンジ内装設計/株式会社イリア
施工/鹿島・西武特定建設工事共同企業体
電気設備工事/株式会社関電工
映像設備工事/パナソニックLSエンジニアリング株式会社
リニューアル竣工/2021年3月
主な設備
● LED投光器 ● LEDグレアレスダウンライト ● LEDライン照明 ● ライトアップ演出用照明器具 ● 大型映像表示装置 ● デジタルサイネージ ● 総合演出システム ● 屋内壁「SOLIDO」(ケイミュー株式会社 製)