東京ドーム

DMX制御されたドーム内周のLED投光器と、ポールから外野フェンス上部に設置された2面のリボンビジョン

東京ドームは、2022年3月に1988年の開業以来初めての大規模改修を完了した。2016〜17年にかけてアリーナ内のHIDランプをLED投光器に更新しており、今回の改修ではLED照明のDMX制御を行うとともに、外野フェンス上部にリボンビジョンを設置し、照明・映像・音響が連動した空間演出を実現した。
株式会社東京ドーム 東京ドーム部 副部長兼企画渉外グループ長 若林 聡氏は「今回の改修では従来の4倍を超える大型ビジョンを設置し、外野フェンスのポールから2面合計約107mのリボンビジョンを設置したことで、映像が視界いっぱいに広がった。それに加えて、ドーム全周に設置された650台のLED投光器をDMX連動制御することにより、新しい観戦体験が提供できた。開幕戦から現場に出ていたが、お客様が演出を見た瞬間に発した『おっ、すごいな』という声を聴き、手応えを感じた。今後は試合だけでなくイベントでも照明・映像・音響の連動演出を促したい」と語る。また、観客席や飲食施設を拡充するとともに、入場や決済に顔認証システムを導入。東京ドーム場内の全売店を完全にキャッシュレス化した。
今後は、周辺で進む東京ドームシティのリノベーションに合わせて、同様なキャッシュレス化の取り組みの展開も検討されている。

• DMX：照明器具を調光・制御するための通信規格

建築設計Report vol.43/2022年11月発行
※会社名、役職名などは取材時のものです。
※大型メインビジョンは、パナソニック製ではありません。