木の温もりを生かす温白色の一体型LEDベースライト iDシリーズとジアイーノが設置された4〜5歳児の保育室

木の空間にふさわしい光と空気の質にこだわった保育園

東日本大震災で中心市街地のほとんどが流出した岩手県大船渡市。その中でも被害が大きかった大船渡湾東側の赤崎町には海沿いに小高い丘があり、そこに赤崎保育園があった。周囲を津波に囲われ陸の孤島となったが、幸い保育園は水没することはなく、子どもたちは園舎の背後にあった地区公民館の2階に避難して命を守ることができた。築後50余年を経た旧保育園は、震災後子どもたちの安全を重視し、新たに整備される赤崎小学校や赤崎地区公民館のある高台に移転して建て替えられた。「設計にあたってお願いしたのは“安心して過ごせる”保育園」と園長の熊谷 ナオコ氏。「職員室にいると園庭で遊ぶ子どもたちが見え、保育室に出入りする様子も見える、見通しのよい園を希望した。前の園はコンクリート造だったが、今回は木造で木が多く、温かい雰囲気。照明も温かい光でまぶしさのない居心地の良い空間になっている。また、保育室の除菌・ウィルス対策を目的として、まずは1〜2歳児の部屋に次亜塩素酸空間除菌脱臭機(ジアイーノ)を導入。その後、年中・年長の保育室にも3台追加しました。園内の空気環境を整えることで、子どもたちが健やかに育ってくれるとうれしいですね」と語る。

建築設計Report vol.32/2020年2月発行
※会社名、役職名などは掲載時のものです。

温白色のLEDダウンライトを廊下に設置

LED高天井用照明器具が採用されたホール

照度を確保した明るく清潔なトイレ

二層に区切られた子どもがくつろげる空間

白色のiDシリーズが設置された給食室

日没後もスポットライトが園庭を明るく照らす

高台から旧保育園・旧地区公民館を望む

赤崎保育園

所在地/岩手県大船渡市赤崎町
建築主/社会福祉法人 赤崎愛児会
設計/株式会社時設計
施工/有限会社コンノ建設
竣工/2019年3月

主な設備

● 一体型LEDベースライト iDシリーズ ● LEDダウンライト ● LEDスポットライト ● LED高天井用照明器具 ● 次亜塩素酸 空間除菌脱臭機 「ジアイーノ」

東北復興ソリューション

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