
「光の制御」にシビアな世界
高い専門性で応える演出照明
コンサルから維持管理まで一気通貫の体制
劇場やホール、ホテル宴会場などの調光は、「光の制御」に対する要求レベルが非常に高い分野だ。同じ調光でも、電源やコンセントから、信号装置、操作卓などの各種制御機器、そして末端の調光器具までの調光システムをトータルに構築していく。一般的な照明では聞かれないような専門性の高い用語も多く交わされ、パナソニックでも調光設備に長けたチームが担当する。施設ごとのニーズを分析するコンサルティングから、実際の設計、そして運用開始後のメンテナンスまでを一気通貫で手掛ける。
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東京・大手町の読売新聞東京本社内にある約500席のホール。シンポジウムやコンサート、試写会など多目的に利用できるほか、能舞台を設けて本格的な伝統芸能の公演にも使える。照明や映像、音響など高品質の各種設備を備え、用途に応じて最適な演出環境を提供する。
よみうり大手町ホールには、講演会やセミナー、展示会、ワークショップなど多様に利用できる小ホールもある

上手舞台袖がなく、高さも限られるなど舞台空間にいくつもの制約があった。そのため、建築意匠、舞台機構など各方面の関係者と綿密な調整を繰り返し、劇場として十分な照明設備をコンパクトに計画した。また、舞台上の色再現性や影の生じ方、調光に対するシビアな要望など、照明のクオリティを重視する演出家などの意見も仰ぎながら、演出効果の高い照明環境を構築した。

金沢駅前に立つホテル日航金沢の大宴会場「鶴の間」の照明がリニューアルされた。シンポジウムからディナーショー、結婚披露宴までの多様な用途に対して、新しい光の演出で応えられるように、主に制御系の設備を更新。新たに、操作性の高い調光卓やモバイル操作環境などを導入した。

操作卓には、パナソニック独自のネットワーク調光卓「プレジャーΣ」を採用。宴会場の照明を操作するのは常にプロとは限らない。ホテルの担当スタッフの場合もあるため、操作性に優れるプレジャーΣを導入した。
照明ソフト技術
PCでモバイル操作も可能、先々まで便利な独自OSで稼働
プレジャーΣは、操作フィールドや拡張性を拡大したパナソニック独自のネットワーク調光卓。調光室から離れた場所にあるパソコンからも、「パッチ」や「レベル設定」などの仕込みができるモバイル操作環境を構築する。時間の迫った宴会や芝居のための仕込みでも効率的に進められる。一般的なWindows環境ではなく、パナソニック独自のOSで稼働するため、アップデートなどとは関わりなく、将来にわたり使える。