津波災害を防ぐための非常時に強い監視システムが必要
東松島市は、東日本大震災による津波の被害が大きく、市街地の約60%が浸水しました。その復興まちづくり計画では、基本方針の一つに『防災・減災による災害に強いまちづくり』が掲げられ、防災自立都市を形成するための取り組みがなされています。その一環として、東松島市沿岸津波監視システム先行モデル事業が実施されました。これは、商用電力や有線情報ネットワークが利用できない災害時でも、太陽光発電システムと蓄電池により無線ネットワークを稼働する設備です。
「東松島市は政府により『環境未来都市』の一つとして指定され、その実現のために一般社団法人東松島みらいとし機構(愛称:HOPE)を立ち上げました。ここには多くの企業が会員として参加しておられ、さまざまな提言を頂いています。その一つが、この沿岸津波監視システムでした」と語るのは、東松島市復興政策部 部長 古山 守夫 氏(取材当時)。
東松島市は津波で大きな災害を被りましたが、その原因の一つとして、停電による防災無線や警報システムの機能停止が挙げられています。大津波警報が発表された時、危険な海岸に職員を派遣することはできないので、停電でも3日間機能する災害に強い監視システムが求められました。