異常気象の常態化により、夏の葉物野菜の栽培が手間がかかる上に収穫も不安定
日本の農業は、地球温暖化による異常気象の常態化による生産の不安定化や農業従事者の高齢化と後継者不足、農作放棄地の拡大など、さまざまな課題を抱えています。
株式会社冨田農園は、代々茨城県鉾田市で農業に携わってきた農業生産法人。現在、300棟のビニールハウスと、約20haの露地で葉物野菜を栽培。生産されたほとんどの野菜は、販売金額を決めて流通業者に直接販売されていますが、食品スーパーなどの需要家側は、年間を通しての安定供給を求めているため、周年供給ができなければ生産契約を締結するのは困難な状況です。
冨田農園では、以前はほうれん草を栽培していましたが、遮光カーテンなど夏場の日照管理や換気といった多くの手間が必要で生産管理が難しいため、夏場は栽培できず、安定した周年出荷ができないことにより断念。
今回、周年栽培と省人化が両立できる、「パッシブハウス型農業システム」を導入し、一時は撤退していた、ほうれん草栽培に、再度チャレンジすることになりました。