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呉服町タワー| LIGHTING STYLE Vol.8 | P.L.A.M. | 照明設計サポート製品を探す

LIGHTING STYLE Vol.8

04 呉服町タワー

限られた納まりで最適な照明を演出

地域のランドマークとなるライトアップ

静岡駅北口から徒歩10 分、静岡市中心部の再開発によって
生まれた建物である。1 〜 2 階は店舗や事務所、
8 〜 29 階は住居となっており、3 〜 7 階の駐車場部分の
外壁は特徴的なGRC パネルで覆われ、夜には昼と異なった表情を
見せる。商業エリアの中心として、地域のランドマークとなるような
ライトアップが求められた。

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■物件概要
竣工:2014 年3 月
所在地:静岡県静岡市
施主:静岡呉服町第一地区市街地再開発組合
設計:株式会社石本建築事務所
施工:鹿島・木内特定建設工事共同企業体
電気工事:株式会社きんでん

呉服町タワー

POINT1

リアルCGなどで綿密な検証を実施

照明計画は、伝統と歴史ある呉服町通りにふさわしい行灯のような温かみの中に、駿河竹千筋細工の繊細さと街の輝き・にぎわいを表現するため、下からグラデーションのかかった光がGRC パネルのスリットから漏れ出すイメージとした。パネルと躯体の取り合いから照明器具の設置場所に制約があり、限られた寸法の中で最適な効果が出るよう、模型、リアルCG、LSR を活用し、配光、照明器具の位置、ピッチ、照射角度等の検討を行った。

光を操る方法
GRC パネルがある状態(CG 上)
無い状態(CG 下)
スケッチはファサード立面と断面のディテール。

GRC パネルがある状態(CG 上)と無い状態(CG 下)のシミュレーション画像。光の伸びとグラデーションの具合を確認するために使用した。スケッチはファサード立面と断面のディテール。

呉服町通り側のファサード

上:呉服町通り側のファサード。ファサードのGRC パネルのデザインは静岡の伝統工芸である駿河竹千筋細工
をモチーフにしている。下:ライトアップを検証するためのリアルCG。駐車場として法的に必要な開口部を
確保しつつ、いかにその存在を感じさせないファサードをつくるかがポイントとなった。

駿府城公園側ファサードのライトアップ。

上:駿府城公園側ファサードのライトアップ。
下:LSR(光束伝達法による照明シミュレーション)
のCG。集合住宅のランダムに灯る住戸をイメージし
て縦ルーバーを一定の法則で照らしている。

Designer's Comment

高精度なリアルCG

竣工後の夜景が、リアルCG とほとんど同じだったので、その精度の高さには驚かされました。今回の照明デザインが、呉服町通りのブランド力を高める夜景づくりに役立ちました。

苗村 武志氏

苗村 武志氏

株式会社石本建築事務所
名古屋支所 主任

北村 寛

北村 寛

名古屋照明EC