様々な機能を持つ滞在型図書館
ここから本文です。
様々な機能を持つ滞在型図書館
日中は、外観デザインの最大の特徴である「ライトリフレクター」により、直接光を天井面に反射させ、やわらかい間接光を室内に取り入れている。照明は、天井面に設置する器具を極力減らし、閲覧デスクや書架から天井面を照射するアンビエント照明と、手元や足元の明るさを確保するタスク照明によるタスク&アンビエント照明としている。自然光を有効活用することで、照明の点灯時間を必要最小限に抑え、光源のLED 化と併せ、大幅な省エネを実現した光環境計画に なっている。
「活気・交流」のエリアから「落着き・静寂」のエリアまで、「場」ごとに相応しい照度や色温度を設定。光の質を敢えて均一ではなく、変化させることで無駄な照明を排し、省エネにつなげている。利用者が自分好みの明るさの空間を選択できるという、新しい図書館の光環境のあり方を実現した。
天井に設置する照明を極力排した間接照明主体の手法であることから早期段階からシミュレーション検証を行い、床面や机上面照度だけでなく、空間全体の明るさのバランスを確認しながら計画した。また、閲覧デスクの行燈照明は、モックアップ実験により、目線に近いタスク照明でありながら、拡散性の高い素材や、光源位置を適正に設定することで、グレアを感じないやさしい光になっている。
数値だけでは説明できない光の特性について、パナソニックの研究資料やラボでの体感実験を通してクライアントに理解いただけました。柔軟なカスタマイズ対応にも助けられました。
古澤 美登里氏
株式会社松田平田設計
総合設計室
インテリア設計部
佐藤 剛
ソリューションライティング
デザイングループ(東京)