「夕焼け」の玉泉院丸庭園
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「夕焼け」の玉泉院丸庭園
加賀藩主・前田利長の正室であった玉泉院(織田信長の四女・永姫)が屋敷を構え、後に作庭が行われ、廃藩時まで藩主の内庭として存在していた「金沢城玉泉院丸庭園」。北陸新幹線金沢駅開業を間近に控えた2015年3月7日、池泉回遊式庭園として江戸後期の姿が再現された。高低差が約22mもあるダイナミックな庭園には、パノラマ状に広がる石垣の群れ、雄大な三十間長屋、静かにたたずむ泉水が配され、夜になるとそれらをスクリーンにした灯りの絵巻が、オリジナル楽曲に合わせて繰り広げられる。「石垣に映える夕焼け」をテーマに「夕焼け」、「宵」、「月見」を表現した灯りで庭園を包み込み、その後4分間の特別演出では、ライトアップ演出とオリジナル楽曲が見事に調和してドラマチックな空間をつくり出している。同じ金沢城公園にある兼六園とは異なる雅な風情を楽しむことができ、古都金沢の夜に新たな魅力が創出された。
音と光の連動、フェイド・イン、フェイド・アウトの繊細な調整により、1年間を通した浮世絵のような「にじみ」のある「夕焼け」プログラムをつくりあげ、和音を視覚化した心を揺さぶる光とした。
近田 玲子氏
株式会社近田玲子
デザイン事務所代表
照明デザイナー
パナソニックEC担当:
辻 佐代子
ソリューションライティング
デザイン部(東京)