照明デザインは、この建物が地域の住人に好感をもって迎えられる街の行燈となることを目指した。(照明デザイン:東海林弘靖氏/ LIGHTDESIGN INC.)
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照明デザインは、この建物が地域の住人に好感をもって迎えられる街の行燈となることを目指した。(照明デザイン:東海林弘靖氏/ LIGHTDESIGN INC.)
103の支店を持ち北陸を拠点とする北國銀行の新本社屋。これまで分散していた本店機能を1カ所に集約した。本店業務のほか、地域貢献や地場企業の牽引役として、さまざまなセミナーやイベントを開催するなど、地域に広く開かれた活動拠点としても活用される。計画に当たっては、省エネ性、安全性、メンテナンス性に優れた照明計画が求められた。特に営業室は、従業員のモチベーションを向上させ、さらに来訪者の印象を高める空間とするために主照明に美光色特注ペンダント(上下配光)を24台使用した。壁や天井などを照らす照明を採用したことにより、照度以上の明るさ感と、各機能に相応しい空間の雰囲気づくりが可能になった。クライアントである北國銀行総合企画部 山佐修副部長は、「北國銀行では、コミュニケーションやコラボレーションを重視した銀行へと変革することを目標に、行員の人間力を高める活動を推奨しています。仕事以外のプライベートを充実させることで人間力に厚みが増し、結果としてそれは仕事にも還ってくると考えています。さまざまなお客様との対話の場である営業室で、その人間力や内面を伝える要素のひとつである『表情』がより伝わりやすいような空間づくりを目指し、それを可能にする美光色特注ペンダントを採用しました」と語る。また、執務フロアにはデジタル個別制御が導入されており、器具1台単位での点滅調光制御によるきめ細かな省エネが可能。さらに電力量計測による使用量把握で運用改善を促している。
北陸新幹線が開通した金沢駅に面して建つため、人が集まるランドマークの役割を担うことも考慮し、全館LED照明を採用、色温度を温白色とすることで外観の夜景に統一性を持たせた。「全館を温白色の色温度で統一することはチャレンジでしたが、現在の照明計画がつくる外観夜景の美しさは多くの方に好評を得ています」と山佐氏。また、三菱地所設計の和井田秀明氏は、「通常の事務室は白色〜昼白色が多数を占めていますが、建物全体の外観に統一感を持たせるため、事務室や営業室照明の色温度を温白色としました。クライアント様にパナソニック汐留ビルの調色調光できる事務室を実際に体験していただき、照度と色温度実験を重ねた上、温白色照明を採用しました」と語る。
金沢の歴史と風土を継承しつつ、街の人びとが気軽に訪れることができるような「街の広間」のような場所を目指した。
伝統と文化を重んじるだけでなく、新しい技術やスタイルを積極的に取り入れるのがこの地域の人々の特徴です。今後も新しい銀行の姿づくりをパナソニックと一緒に検討していきたいと思います。
山佐 修氏
株式会社北國銀行
総合企画部 副部長
パナソニックEC担当:
野村 尚代
名古屋照明EC