東側から見る外観。シャトル軌道の上に第2ターミナル本館と
サテライトを繋ぐ連絡通路が設けられた。
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東側から見る外観。シャトル軌道の上に第2ターミナル本館と
サテライトを繋ぐ連絡通路が設けられた。
成田国際空港第2旅客ターミナルとサテライトを繋いでいたシャトルを廃止して計画した約220mの連絡通路で、出発旅客のためのカフェやラウンジなどの新機能が追加された。内側を出発コンコースと出発旅客やトランジット旅客の付加価値空間として、カフェ、ラウンジ、仮眠スペースを置き、それを挟むように外側に到着コンコースが計画された。
到着コンコースでは、通路から外を見る視線を遮らないように、ガラスへの映り込みを極力避けるために照明は低い位置に配置され、床のみをほのかに照らしている。各所では、動線を考慮し天井面や壁面、床面に効果的に照明を与え、明るさ感を高めながら誘導効果の高い計画をしている。ベース照明は各ゾーンごとに色温度2700K 〜3500Kを使い分け、憩いの空間をつくっている。
建築照明手法に徹することで、照明器具を目立たせず、間接照明や光幕照明を各所に活かし、光の効果だけで建築を際立たせる照明計画とした。
供用開始後20年が経過した成田国際空港第2ターミナルの到着ロビーの天井のリノベーションプロジェクトで、壁や床の色調、天井のモチーフの見直しを実施した。壁と天井は白系統の色を採用、吹き抜け部分の天井は膜材を活用し、そこはかとない和の雰囲気を出し、訪れる旅客に柔らかな印象を与えることを意図した。また、LED照明を約1,300台設置し、障子を照らす明かりのように最軽量材料である膜を使用して天井を演出した。日本の玄関としてふさわしい「和の抽象美」を彷彿させるモチーフを取り入れ、日本の品格、繊細さ、華美ではない上質感をつくり出した。
ほしいのは純粋に光だけで、照明器具はできるだけその存在を感じさせたくないという思いに応えてくれ、「主役は空間」となる演出を実現し、リノベーションと感じさせない効果をもたらしました。
金内 信二氏
株式会社日建設計
設計部門 設計室長
パナソニックEC担当:
小林 和夫
ソリューションライティングデザイン部(東京)