南側より本社ビルを見る。
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南側より本社ビルを見る。
2015年4月に創立100周年を迎えた、世界最先端の技術を有する安川電機の新本社ビル。創業の地である北九州市八幡西区に、次の100年を見据えた建物を計画した。4層からなる本社は水平方向を強調した伸びやかな建築で庇の深い形状となっており、夏期の直射光を遮断し、熱負荷を軽減している。オフィス機能を4階の最上階に集約し、トップライトとハイサイドライトからの自然光によって、日中は人工光を使用しない執務空間を実現した。トップライトに、アクリル棒を封入したペアガラスを使用しており、光を拡散させて室内に導いている。また、ハイサイドライトは天空光を採り入れると共に、自然換気・排煙窓としても使用している。実施設計時にLSR(3次元照度計算システム)で推定される自然光と人工光の照度や明るさ感を数値的・視覚的両面からシミュレーションをした。施工段階では、高度なリアルCGで、季節と時間による自然光と人工光の変化にタスク照明の効果も加えて、インテリアイメージも合わせたより正確なシミュレーション、さらに、現場実物大のモックアップでの確認を行い、自然光と人工光の効果予測を丁寧に分析し、建築デザインと照明設計に反映した。竣工後にも光環境の実測を行いデータで検証、光環境の有効性を証明した。
自然光を主とした執務空間を実現するためには、さまざまな検討が必要でした。リアルCGにより設計・施工の各段階でクライアントとの意思疎通が明確となり、理想的なオフィス空間が実現できたと思っています。
野嶋 敏氏
株式会社三菱地所設計
建築設計四部
副部長
パナソニックEC担当:
大島 睦
ソリューションライティング
デザイン部(九州EC)