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解説

平成17年10月1日にて経過措置期間(猶予期限)終了

<改正の背景>
新宿歌舞伎町の雑居ビル火災をきっかけに、消防法が28年ぶりに大幅改正・強化されました。

平成13年9月1日 防災の日 死者44人 負傷者3人
昭和57年ホテルニュージャパン火災(死者33人)を超える大惨事

全国で小規模雑居ビルの一斉立ち入り検査
雑居ビルの約9割以上に消防法違反
●火災報知設備作動せず ●避難器具使用できず ●防火戸閉まらず

※防火対象物全般でも消防法違反が横行

改訂内容

1.火災の早期発見・報知対策の強化[政令改正・省令改正] [平成15年10月1日施行]

(1)自動火災報知設備の設置対象を拡大 [政令改正]

■対象
[従来] 雑居ビル(16)項イについて延べ床面積500以上で内、特定用途が300以上のもの
   ↓
[改正後] 雑居ビル(16)項イ延べ床面積 300以上

[新規]
地下階又は3階以上の階に特定防火対象物※がある建物で、屋内階段が1つしかないもの
(床面積制限なし。特定の部分の面積、収容人員も関係なく対象となる。)

・自火報設備の設置が必要な防火対象物の例

(2)再鳴動機能付の自火報設備への改修[省令改正]

(平成15年6月13日公布)
<既存の受信機(98年4月以前)を再鳴動機能付に取り替え>

■対象
地下階又は3階以上の階に特定防火対象物※がある建物で、屋内階段が1つしかないもの
(床面積制限なし。特定の部分の面積、収容人員も関係なく対象となる。)

(3)階段室における煙感知器設置基準の見直し [省令改正]

 (平成15年6月13日公布)

[従来] 垂直距離15mに1個 
   ↓
[改正後] 垂直距離7.5mに1個(1 種又は2種)

■対象
地下階又は3階以上の階に特定防火対象物※がある建物で、屋内階段が1つしかないもの
(床面積制限なし。特定の部分の面積、収容人員も関係なく対象となる。)

※特定防火対象物とは、不特定多数の人が出入りする対象物で、消防法施行令別表第1の中で(1)項から(4)項まで、(5)項イ、(6)項また(9)項イの用途のもの。

2.違反是正の徹底[法改正] [平成14年10月25日施行]

全ての防火対象物について

立ち入り検査の制限の見直し
<時間制限の廃止>
[従来] 営業時間または日中
   ↓
[改正後] 全時間帯

措置命令を行い得る主体の拡大
<物件の除去等一定の措置命令について>
[従来] 消防長または署長
   +
[改正後] 消防吏員でも発動可

悪質な違反情報を住民に公開すると共に、罰則を抜本的に強化
<特定の措置命令について>
命令発動時は必ず公表(消防の義務)
 
火災予防のための措置命令・建物の使用停止命令・刑事告発を積極的に発動

3.避難・安全基準の強化[省令改正] [平成15年10月1日施行]

特定防火対象物に対して

 
●用途見直し
飲食を伴わない風俗店等に係る防火管理、消防用設備等の設置等の義務強化
[新設] 2項ハ 性風俗関連特殊営業を含む店舗
[変更] 5項イ 旅館、ホテル「又は宿泊所に類するもの」を加える

●避難上必要な施設等の管理の義務づけ
二方向避難の確保(建築基準法)
簡単な操作で連続的に避難可能な避難器具の設置

全ての防火対象物に対して

階段や防火戸等の付近の物件存置の禁止について法的位置づけを明確化

4.罰則の強化・関係機関との連携強化[法改正] [平成14年10月25日施行]

全ての防火対象物に対して

●罰則の強化
措置命令等違反に対する罰則の引き上げ、両罰規定の強化

<違反者罰則 >  
[従来] 懲役1年以下・罰金50万円以下
   ↓
[改正後] 最高懲役3年以下・罰金 300万円以下

<法人罰則>  
[従来] 罰金50万円以下
   ↓
[改正後] 最高罰金1億円以下

5.防火管理の徹底[法改正] [平成15年10月1日施行]

特定防火対象物に対して

防火管理業務に関する定期点検報告制度の導入

<資格者による防火対象物の定期点検報告制度の導入>
[従来] 消防設備等の機能点検
   +
[改正後] 「防火管理状況の点検」を加える

■対象
特定防火対象物で下記のもの
ア 収容人員が300人以上のもの
イ 収容人員が30人以上で、地下階又は3階以上の階に特定用途があり、屋内階段が1つのもの

法令遵守の防火対象物の点検報告義務免除の認定
点検済み表示、認定表示制度の導入
消防設備士等により点検させるべき防火対象物の範囲拡大


[従来] 特定用途1,000以上、その他用途1,000 以上で消防長が指定するもの
   +
[改正後] 「地下階又は3階以上の階に特定用途部分がある建物で1階段のもの」を加える