<プロジェクト概要> 伊勢市では、平成25年に伊勢神宮の式年遷宮を迎えるにあたり、伊勢市駅前広場の再整備をはじめとする再開発を計画。 外宮参道の商店主や住民らにより「外宮参道懇話会」が平成15年に発足。 伊勢市駅から外宮を結ぶ外宮参道地区の活性化のため、外宮ならではの魅力あるまちづくりに取り組んでいる。 |
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計画イメージをVR化したことで、より多くの市民参加と対象となる市街地全体を考慮した検討が可能に
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さまざまな立場の市民の意見を反映させるため、VRを作成 お伊勢参りでは、外宮、内宮の両宮をお参りするのですが、 現在、内宮を参拝された方の3分の2が外宮を参拝されていません。 これは色々な理由が考えられますが、中でも外宮を中心としたまちづくりが おざなりとなっていたことが考えられます。 ではどのようなまちにすればよいのか、より多くの人にまちづくりに参加してもらうにはどうしたらよいのかを、 地元の商店主や住民が中心となって考えてきました。 その最中、伊勢ライオンズクラブの50周年記念事業とも連携して推進することとなり、 さまざまな立場の市民の方との調整が必要となりました。そこでまちづくり計画のイメージを 可視化して検討しなければいけないと考え、VRで基本計画作成を判断いたしました。
VR導入後、ワークショップでの意見が活性化 まず現況のまちなみをVR化し、第1回ワークショップでVRを見ながら将来イメージの意見交換を行いました。 当日参加できない人のために、VRをWebで公開して、関係者が自宅から閲覧できるようにしました。 第2回ワークショップでは、参道の将来イメージ、伊勢市の駅前広場構想案をVRで表現。 第3回ワークショップではそれを発展させた案について議論するなど、ワークショップを通じて、 駅周辺から外宮までの参道、外宮周辺の基本計画案をまとめることができました。 外宮参道懇話会の考える外宮参道の将来像とは、「参拝者に、私たちの神様へ感謝の思いが伝わるまち」。 以前はこうした思いを言葉で表現するだけだったのが、VRで可視化でき、関係者との合意形成が図れました。
民から官へ、まちづくりの気運高まる 参道の活性化を考える上で工夫した点は、周辺部まで含めて広い範囲でVR化したこと。 そうすることでより多くの市民に興味を持ってもらうことができました。 商店街ではデザインコードを作成中で、VRを活用すれば 「店の入口や内装にはこんなデザインを 取り入れる」というようなルールが伝わりやすくなると考えています。 テナントが入れ替わった時も、その部分だけVRを修正すればリアルタイムの参道がいつまでも続きます。 私たちが作った外宮参道地区のデジタルデータ(VRデータ・3次元CADデータ)は、 その後の伊勢市の駅前整備検討などの事業において継続的に活用することができます。 そうやって新たなテナントや住民が、VRを継続的に利用してくれることに、期待を寄せています。
関係者の周辺もまきこむVR まちなみの連続性が見られるのもVRの良さだと思います。例えば店を新築したり改装したりする時、 VRであれば、連続空間の中で、自分の店とまちなみを相対的に検討することができます。 平面図であれば、連続空間として捉えることは不可能ですが、VRはつなげられる。 つなげていくことで、まちを俯瞰的に考えることができるのだと思います。 また、VRのおかげで思わぬこともありました。 かつて駅前には松下幸之助氏より寄贈された鳥居があったのですが、道路整備により撤去されてしまいました。 多くの住民が鳥居を復活させたいと願っており、駅前の将来イメージのVRに鳥居を描いたことで、 神宮司庁から鳥居を拝受することになったのです。まさにVRのおかげだと思っています。
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外宮周辺の将来像を環境計画支援VRで検討
かつて伊勢市駅前にあった鳥居を復活させたいとの市民の声をVRでイメージ化。
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駅前の現況イメージ
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駅前の将来イメージ
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伊勢市駅から外宮をつなぐ参道の将来イメージをVRで検討。
参道の現況イメージ
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参道の将来イメージ
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外宮前の将来イメージをVRで検討。
外宮前の現況イメージ
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外宮前の将来イメージ
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