<プロジェクト概要> 県都として商業、交通、文化などの中心的役割を担う大分市。 平成23年4月に市制100年を迎え鉄道高架など次のステージに向けたまちづくりがスタート。 市は平成22年より、駅周辺部や南北都市軸の計画の具体化を図ろうとしている。 以前より、大分市中心部のまちづくりについて調査研究を進めてきた地元経済界は、これら計画が市民合意による中長期ビジョンに整合される ことが重要と考え、二度目となる「まちづくりビジョンフォーラム」の実施を提案。経済界に加え、県、市、JRなどが参画するフォーラム実行委員会が 中心となって、大分中心部をどのようなまちにするのか、また駅周辺部や南北都市軸のあり方について、市民から意見を募集した。 平成22年2月「まちづくりビジョンフォーラム」は、市民約400人を集めて開催。この中で、市民からの意見がVRを活用してわかりやすく提案され、 具体的なまちづくりの目標と方向性をイメージとともに明確にした。 今後、この空間のデータを人々がまちづくりを考えるインフラストラクチャーとして、引き続き有効に活用することでの、市民参加型による計画の 具体化が注目されている。 |
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まちづくりは市民のもの。市民の知恵も引き出し、可視化・共有化して官民一体のまちづくりを実現する
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コミュニケーションツールとしてVRの持つ可能性に注目 平成20年の第一回「県都大分のまちづくりビジョンフォーラム」では個々の予定される整備事業は 一定のビジョンに基づいて整備されるべきとの結論が得られました。 その後、ビジョン(理念・目的・目標)を持つべく、経済界、大分県、大分市などで構成する フォーラム実行委員会を立ちあげ活動を始めました。 一般市民にとって都市計画が具体的に、どのようにして進められ決定していくのかわからないのが現状だと思います。 これまでの都市計画は、行政と有識者が計画し、市民に一般公開してパブリックコメントを求め、 意見がなければ賛成だとして計画を実施してきました。 市民は意見がないのではなく計画自体が理解できないので意見の出しようがないのが現状です。 行政サイドも興味ある人全員に説明することもできません。また、行政もプロ集団による都市計画作成から 市民参加型のまちづくりの方法も模索し始めています。 そこで行政と市民の両方が抱えるまちづくりの欲求不満を解消しようと検討を始めました。 そのなかで、例えば「緑あふれる」という言葉のとらえ方は個人によって大きな差があります。 ビジョンは文書や言葉だけでなくイメージでも合意する必要があると考え、 まちづくりの方法をずっと探していたところVRを活用する方法に出会えたのです。 これを使えば「緑あふれる」というイメージも市民は皆、同一イメージで検討できます。
市の計画に市民の知恵を重ねてVRで表現し計画検討 平成22年2月の第二回「県都大分のまちづくりビジョンフォーラム」に向けて、 フォーラム実行委員会では広く市民からの意見を募り、いくつものアイデアをVRの中に反映しました。 フォーラムは400人を超える人々を集めて開催され、その中で具体的に描かれたさまざまなプランを 見ながら行政や専門家を交えたパネルディスカッションを行ったわけですが、わかりやすいVRを見ながら、 会場からも多くの意見を引き出すことができました。 これを受け、現在では目標に向けた課題研究に取り組むとともに、平成22年に市が実施予定の大分の 南北軸の設計事業において、いままでの空間のデータに追加して設計内容をVR化し、 市民と意見交換しながらまちづくりを進めてもらえるように努力しています。
中心市街地の「これから」に向けて今後もVRを継続活用 まちづくりはそこに住む市民のものであり、また終わりの無いもので課題は尽きません。 たとえば、まちなかの回遊性向上ひとつをとっても、そこでは、歩き回りたくなる魅力の創出や、 歩きやすい、移動しやすい環境というものをみんなで具体的に考えていかねばなりません。 こういった時にも大きなビジョンを共有し、人々の意見を可視化し、一緒に検証していくツールにしたいと思います。 今回作成した大分の都市データについては、大分の中心市街地全域に関わるあらゆる開発事業などに 活用できるように推進していくつもりです。 市民、県民のみなさんにまちづくりに興味をもってもらうことも当然ですが、 行政、事業者など関連する組織の皆さんにも積極的に活用してもらいたいと思います。
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市民から集められた「ありたいまちの姿」を、具体的に描き出す
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■ 大分駅北口 【市民の提案】 国道10号のアンダーパス化により人の横断するバリアを格段に小さくする。
現況のイメージ
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市民の提案
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■ 中央通り 【市民の提案】 歩道を大きく広げ、中央2車線を公共交通に限定、LRTを単線で整備、自転車道を設置する。
現況のイメージ
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市民の提案
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■ 駅南シンボルロード 【市民の提案】 樹木による緑陰をつくり、仮設の産地直産物売り場やレンタルガーデンなどを設置する。
現況のイメージ
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市民の提案
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