<プロジェクト概要> 竹田綜合病院は、地域医療支援病院や地域がん診療連携拠点病院などの指定を受ける福島県の会津・南会津医療圏における拠点病院。 平成20年より既存の本院病棟の全面的な建て替えを実施し、平成21年11月には精神科を中心とした「こころの医療センター」を竣工。 平成25年の完成を目標にプライバシーの確保、アメニティーの充実、デイサービス・外来・病棟機能の更なる充実を図る。 |
---|
スタッフの働きやすい職場づくりを、環境計画支援VRで綿密にシミュレーション
|
設計・設備検討ツールにハンドリングの良さで選んだVR 「ビジョン竹田2010」という病院の建て替えやハード・ソフトなどあらゆる改革案を盛り込んだ計画書をもとに、 今後の人口の推移や時代の変化を考慮して改定し、平成20年、建て替えをスタートさせました。 その際の設計・設備の検討ツールとしてVRを採用しました。VRを選んだ一番ポイントはハンドリングの良さです。
待合室の利用方法やカートの使い勝手も検証 要望に応じて簡単に加工や修正を加えることができ、リアルタイムに具現化できる所がVRの大きな魅力でした。 特に待合室の設計と、新たに導入した再加熱カートの運用シミュレーションでは、 VRの優れた性能を大いに実感しました。 待合室は、実際に利用されている患者様の行動をVRの中に再現。イスの使われ方を皆で理解し、 より利用しやすい待合室を実現することができました。 再加熱カートについては、どこに置けば最も作業効率がいいかをVRで検証したり、 廊下の勾配に対する再加熱カートの傾きや食材の状態をVRで何度もシミュレーションを行いました。 今回、初めて再加熱カートを導入することとなったのですが、 実際に運用する前に使いやすさまで検証できるのはVRならではの大きなメリットですね。 よりよい病院を目指す今回のリニューアル工事にとって、VRは欠かすことのできない存在でした。
「職場の使用感がよくわかる」VRは看護師にも好評 その他にも、各セクションのスペースの割り振りや、機器をどこに設置すれば使いやすいかなどを 各セクションのスタッフと相談しながら検証を行い、それぞれの立場からの要望を反映したシミュレーションを実施。 手術室の場合は、手術に使う機器や参加する医師の人数、どのドクターがどこに立つか詳細に決まっています。 臨床工学技師がどこに座って何をするのか、LANポートをどこにするのか、 手術ごとの使用機器の配線は安全にセットできるのかなど、VRを使いながら一つひとつ確認して決定していきました。 今回のVRの採用で特に喜んでいたのが、「自分の職場がどういう風に変わるんだろう」と興味を持っていた看護師たちでした。 べッドやTVの位置、通路のスペースなど、新しい病棟でどういう動きになるのかを あらかじめ把握することができる所が好評だったようです。
地域の方への説明用に、VRを5分程度のアニメーションに さらに、新しい病院の構想を地域の方々にもご理解いただくため、市民の方を対象とした説明会も実施しました。 当初は図面や模型のみを使って説明する予定でしたが、わかりやすいようVRを編集した5分ぐらいのアニメーションを制作。 多くの方々から、たくさんのご意見と大きな反響をいただき、とても充実した説明会となりました。
|
|
再加熱カートが通るスロープの幅や勾配を検証
調理物を再加熱し、運搬する再加熱カート。 その通り道となる通路のスロープの幅や勾配の角度を検証し、ひとりで運べるか、中の調理物がこぼれないか、などを検証。
|
|
壁、家具、機材の配置や色、素材などをシミュレーション
スタッフがより使いやすく機能的な機材の配置を検討。
|
配膳室の機材の配置を検討
|